編集員通信


“スペシャルウィークじゃあないの?”

 1999年度のJRA賞受賞馬が決定した。投票資格の条件を満たした記者212名による投票が基準になっている。

 最優秀3歳馬は牡馬は唯一のGIレースである朝日杯3歳ステークスの勝ち馬。牝馬は阪神3歳牝馬ステークスの勝ち馬が選ばれている。5歳以上の牝馬もメジロドーベル、障害馬はゴッドスピード、父内国産馬もエアジハードでそれぞれ異論のないところ。ダート馬は該当なしが96票もあった。最多得票馬ワールドクリークでも40票しかないのだから“該当馬なし”とされても止むを得ないだろう。短距離馬には1600mのGIを2勝したエアジハードが推されている。仏の1000mGI、アベイドロンシャンを勝っていても、スプリンターズSでブラックホークに敗れているアグネスワールドでは遠く及ばなかった。

 どれがなっても不思議でなかったのが最優秀5歳以上牡馬の部。獲得票は(1)スペシャルウィーク83票。(2)エルコンドルパサー72票。(3)グラスワンダー56票。過半数に満たない場合は選考委員会で決定される規約に則って協議された結果、スペシャルウィークとエルコンドルパサーの立場が逆転してしまった。(何で?とは聞かないこと)

 今年度1度も国内で戦っていなかった馬が選ばれたことで、瓢箪から駒が出はしないか。97年のアブクマポーロは門前払いを食っているが世界的な視野に立って選ぶようになった以上、当然表彰の対象も一部見直しがなされ、地方在籍馬や外国籍馬でも中央の権威あるレースに勝てば、選考されるようになるかも知れない。そういった意味ではエルコンドルパサーはJRA在籍馬以外にも光を当てる役目を果たしたはず。(こればっかりは当方の思い込みで、その時になってみないと分からない。周囲の声は、旧態依然が相場と言うが……

編集局長 坂本日出男

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