編集員通信


“JRAに八百長レースはない!!”

 3月21日付の読売新聞を見て驚いた。「中央競馬の八百長レースで大もうけ」と誘う手紙がファンのところに届き、情報提供料3万円を払い込んだのに結果は外れ。外れの場合は全額返済する約束が、相手がいなくなって実行されず。いわゆる競馬情報詐欺が横行しているとのニュースであった。この種の詐欺は今に始まったわけでなく、十数年前から毎月数件JRAに苦情が寄せられていたそうだ。残念なことは、一部とはいえファンの中に、いまだJRAにおいて「八百長レースが行われている」という意識が消し去られず根強くあったという事実を突き付けられたことだ。
  1965年9月に、騎手不正事件が発生したのを機に競馬保安協会が設立され、公正確保に必要な調査、情報、資料の収集が行われている。人権問題とも言われた、レース前日より出走予定騎手の身柄拘束。馬に対しては、理化学検査の徹底等、不正防止対策は外部の人の想像を遥かに超えた厳しいものだし、レースにしても監視の目は四方、八方から光らせている。今や、かつて門外不出であったパトロールフィルムが公開される迄になって、公正競馬のピーアールに務められている。「八百長レースはあり得ない」とのJRAの発表を聞く迄もなく、そのような行為の行える土壌は考えつく限りゼロに等しいと思う。
  競馬ファンは年々歳々去る人があれば、新しく始める人があり入れ替わり続けている。今回のような件で騙される人も絶えないだろう。主催者の義務として、JRAは新しいファン総てに対して、公正競馬が確保されている現状を分かり易く、広く知らせ続けねばならない。当たり前のことでも、知らない人がいることを忘れて欲しくない。

編集局長 坂本日出男


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