編集員通信


“タマモストロングさっさと放牧へ”

 マーチステークスをトップハンデを背負いながらも逃げるスマートボーイに照準を当て、じっくりと狙い澄まし直線であっさりと抜き去ったタマモストロングは7連勝を達成。吉永師にとっては、サンドピアリス(エリザベス女王杯)以来の通算3度目の嬉しい重賞制覇。「ほんま久し振りやわア」と感慨深げに語る。
  サラブレッドではカブラヤオーの9連勝がJRAの記録。それ以前の国営時代にはタカオー、ダイナナホウシュウ、ウイザート、トサミドリ。日本競馬会時代のクリフジ等の11連勝がある。連勝記録の樹立は、あく迄も戦って行く過程での通過点における副産物、程度の認識であって、吉永師としては特別なこだわりを持っていない。99年の5月の新潟で遅いデビューを迎えたタマモストロングは芝で8戦1勝。はかばかしい結果が出てないことに業を煮やしたわけでもあるまいが、11月から新天地を求めて戦いの場をダートに移した。元々坂路ではオープン並みのタイムを再三マークしており、芝よりはダートの方に向いている可能性は十分あった。以来あれよあれよの白星量産、たちまちにしてスターダムにのし上がって来た。振り返ってみると、これ迄殆ど休みらしい休みをとっていない。現在も見た目に少しも疲れている様子はないのだが、調教師の目には、既に体調は極限近いところに至っていると映っている。9月、10月で2走して秋の最大目標11月25日ジャパンカップダートを3戦目で迎える予定だ。
  青写真通り円滑に事を運ぶには、この後1回使ってから放牧に出すと、一旦緩めた体を造り直す為に必要な日数がどう勘定しても足りなくなるから、目先の1勝にとらわれずさっさと休養入りさせるのが最善の策だと決断して放牧に出された。リフレッシュしたのち、更にひと回りスケールが大きくなって帰ってくる秋をどうぞ楽しみにお待ち下さい。

 

編集局長 坂本日出男

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