編集員通信


“古馬も出走権確保が切実に”

 第20回ジャパンカップの日本登録馬が11月12日に発表された。

 登録馬は16頭で、外国からの参加は7頭が予定されていたから日本馬で出走可能なのは9頭。ナリタトップロードの優先出走順位は13番目。意外な気がするが……。8位のダイワカーリアンと12位のメイショウオウドウが真っ先に回避した。ダイワからはダイワテキサスが権利持ちで出走を予定しているし、メイショウからも6位のメイショウドトウが挑戦する。一応9頭の椅子はそのへんで決定的となり、あとはキャンセル待ち。その筆頭には11位のアメリカンボスがいるから、ナリタトップロードが出走する為には、出走の意思を持っている10頭のうちから、最低でも2頭が新たに回避しないことには適わない。現在のランクではテイエムオペラオーのNo.1は万人の認めるところ、異論なし。次となるとナリタトップロードかメイショウドトウになろう。4歳馬に半歩譲ったとしてもトップロードは5本の指の内には入る。それでいながら晴れ舞台には上がれない。沖師も「ルールですから」と現実を厳粛に受け止めていた。

 出走馬の選定方法は外国馬が予備登録申込み馬の中よりJRAが選定するのに対し、日本馬は出馬投票締切り日の前日迄の成績をもとにして決められる。具体的には(イ)平成11年11月27日以降(ジャパンCが11月28日)の、3歳馬G1を除くG1競走優勝馬。出走可能頭数を超過した場合は、平成11年11月27日以降のG1、G2、G3競走で獲得した収得賞金の多い順。同額の場合は通算収得賞金の多い順。(ロ)平成11年11月27日以降のG1、G2、G3競走で獲得した収得賞金の多い順。

 ナリタトップロードは11月7日の菊花賞の後は有馬記念へ進み、年が明けてから秋の天皇賞までの5戦も含めて、ジャパンCへの過程は常にテイエムオペラオーと共に歩んで来ていた。着差にすればクビ、アタマの僅差もあり、陣営としては決して歯の立たない相手とは思っていなかったはずだ。が、結果的にはテイエムオペラオーは防備のきわめて堅固な城であり、あと一歩のところで撥ね返され続けた。不運と言えば不運。力不足と言われれば否定出来ない。

 ジャパンCに出走出来なかったことで、有馬記念に向かう前に1着賞金6400万円のG2、ステイヤーズステークスへ鉾先を向けることになった。善戦ではダメなのだ。とにかく賞金を稼がねばならない。9頭立てのレースでも、テイエムオペラオーにがっぷり四ツに組めるナリタトップロードがいたから興醒めにならないで済んだケースもあったのに……。今回ナリタトップロードがジャパンCに出られなかったことで、ステイゴールド(一時の)のような2〜3着の多いタイプは、ローテーションの組み方が根本的に変わってくるだろう。前哨戦ではテイエムオペラオー的な馬との対決は極力避け、別路線を歩むようにする。残念だが、最大目標のレースに出走出来なければ何も始まらないのだから。権利確保の厳しさは、4歳のクラシックだけでなく、古馬に迄も押し寄せて来た。

 

編集局長 坂本日出男

 

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