編集員通信


“ブックCPUハンデの発表を廃止”

 今年から「ハンデキャップ競走については出馬投票のうちハンデキャップによる負担重量から当該馬の馬齢重量を減じた値が大きい上位3頭に優先出走を認めることとします」という規定ができた。

 ケイバブックとしては、ファンからの希望が多いことから、永年弊社独自の推定ハンデキャップを作成して週刊誌に発表してきた。当初はベテラン記者が担当していたのだが、より正確さを求めてコンピューターにいろいろな約束ごとを組み込んだ上で算出させる方法へと切り換えた。とかく調教師とトラブルの原因になるハンデについて“コンピューター算出”だからと言い訳の材料にはできたのだが、ハンデキャッパーのつけたものとは開きがあり過ぎるようなことも何度かあった。その度合が大き過ぎては参考資料にならなくなってしまう。

 そこで、最終的には人の手によって修正を加えた上で発表する形を取っている。従来問題とされていたポイントというのは、ハンデキャッパーがハンデを決定する日よりもひと足早く週刊誌が市場に出回っていることによる弊害(?)だった。誌上で発表している推定ハンデを、ハンデキャッパーが参考にしていたかどうかは知る由もないが、当事者として競馬の週刊誌は仕事柄手に入れているわけだから、当然いやでも目に入ってくるだろう。

 そこで厩舎サイドでは、ハンデキャッパーに悪い意味での先入観を植えつけるようなことになっているのではないかと憶測する。「ケイバブックにとっても、それがあるから得をするということはないだろうし、差し控えてはどうか」と過去に何人もの調教師から申し入れがあったのも事実。今回のように、新たにハンデキャップの重量が優先出走権と結びついてくるとなると、たとえそれがファンの目安となるものであっても、今まで以上にハンデキャッパーの心証を揺さぶるようなものであってはならないように思われ、これを機に、ブックのCPU算出によるハンデの発表は廃止することにしたので御諒承願います。

編集局長 坂本日出男

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