編集員通信


“続行競馬の死角が曝け出され”

 1月7日、10R以降の3競走が降雪により中止され、1月20日、間を置かずに続いた途中での開催中止。規定によって6レース以降は日を改めて“続行競馬”として1月22日(月)に施行されたのはご存知の通りだ。それについては、出走馬は出馬投票のやり直しによって決められた。

 500万以下ダート1800mの第7Rと、9頭立て若駒ステークスは新規の投票馬がいなかったので、同様の顔ぶれであったが、第6Rはウォーターリーグ(2着)キタサンチャンネル(1着)アサカプティット(10着)の3頭が、第8Rにはタイレスポール(12着)ダンツランニング(7着)エビスショウフク(9着)トーホウミノル(6着)マヤノジャッカル(3着)アキノストレート(競争中止)の6頭が、第10Rはサンレイグルーム(8着)ラブフォーエバー(6着)スーパーアフリート(3着)の3頭、第11Rにはミナミノヤマト(9着)エターナルビート(10着)メイショウタツジン(1着)クールネージュ(16着)メイデンマサムネ(11着)ウォーターポラリス(6着)の6頭。そして最終12Rへはネオマックイーン(1着)が新たに入ってきていた。

 変動のあった5レース中の3レースの勝ち馬が、新規の投票馬だったのは、今後に問題を提議しているように思う。競走中止により栗東トレセンへ引き揚げた馬運車は、道路の異常な渋滞に巻き込まれて身動きがとれず、目的地への到達まで12時間前後も要している。そして中1日で再び京都競馬場へやってきた。それ等に比べれば、続行競馬になって出走の確定した各馬は、輸送によるダメージをまったく受けていないのだから明らかに優位に立っている(結果論だが)。

 ちなみに、京都競馬場への滞留が認められている関東所属馬では、11Rロードブライアンが2着した。能力だけでない他の力が手伝っていた明暗だったようで、何かスッキリしない後味の悪さだけが残っていた。ルールに則って施行している限り、競馬は公正であったといえるが、偏りはなかったともいえないだろう。たとえその道の権威が、幾ら科学的、獣医学的に正当性を説いたとしても、子供の頃正月の遊びでやったイロハかるたの「論より証拠」にも似て、自分の目で(多分に節穴っぽくても)しっかり事実を見てきている者は納得すまい。公正競馬を標榜するJRAは、今回の件を天の啓示とでも受け止めて、改善策を早急に検討する必要があろう。

編集局長 坂本日出男

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