編集員通信


“W開催時の記者の焦燥と憂鬱”

 小倉とのW開催が終わり、次の中京とのW開催まで1週間の猶予がある。人それぞれ忙しさはあっても今に始まったことではないだけに、記者を3〜4年もやれば体の方が勝手に動いてくれる。束の間ではあっても“ホッとひと息つく”という気持ちは分からないでもない。ダブルになってみると、本当に使える時間の少なさを痛感する。

 特に、両方の予想を紙面に載せている記者。裏開催だからといって手抜きが許されるはずもない。まず阪神の検討を行ない、その後中京分の検討へと入る。倍の時間がかかる。個人個人それぞれの検討方法を持っていてテンデンバラバラ。個性派の集団だから同じになるのがおかしいかも。データ類のすべてが入っている編集カード(競馬ブックで利用、管理している競馬データベース)の画面と首っ引きで格闘している姿は、横から声を掛けるのも憚かられるほど。途中で、急に撮り溜めしている過去のレースのビデオテープを再生しにテレビの前へ走り、納得するまで見入っているケースも今や少しも珍しくなくなった光景になっている。追い日にコースの方を見ている記者は、見られなかった坂路調教も小社が独自に収録しているビデオテープでチェックすることが可能だが、それも水曜、木曜分にひと通り目を通すだけで最低でも7時間はかかる。調教した時間の表示されている一覧表を基にして、早送りで特定の馬だけを見ることができるのが救い。

 ひと昔前に比べると、参考資料の種類は数10倍にもなっている。資料が増えたからといって、そのすべてを一時に使っているわけでなく、必ずしもそれに比例して的中率が高くなったわけではないところが腹立たしいが、これも競馬の奥の深さだと、いい方に勝手に解釈している。

編集局長 坂本日出男

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