編集員通信


“2歳馬の調教急ピッチに強化中”

 トレーニングセンター及び競馬場において調教を行う場合は、すべてゼッケン番号を装着することを義務づけられている。2歳馬は緑地に白文字、3歳馬は黒地に白文字、4歳以上は白地に黒文字で番号表示されており、坂路馬場に入る際は、通常のゼッケンに加えて、自動読取機用のバーコードも装着してないと入場できない。3月初めの時点での関西所属2歳馬登録は僅か7頭。かなり少ないように思ったところが、5月18日現在では561頭まで増加、前年比では完全に上回り始めている。登録のシステムが一部変更されたことによる変化だそうだ。

 6月9日からは函館競馬が開幕され、小倉、新潟に先駆けて2歳馬がデビューする。そこへ向けて、このところ急ピッチに調教に熱がこもってきた。2歳馬同士による併走調教が先週あたりから3歳馬の胸を借りるパターンへと移ってきたのが目立ち始めてきた。さすがに1勝以上のクラス相手では力の開きがあり過ぎるため、パートナーのほとんどは3歳でも未勝利馬。とてもついて歩けず、敗北感で落ち込んでしまわないようにとの調教師の気配りで、段階を踏みながら相手はランクアップされて行く。同時にゲート練習に割く時間も並行して増えている。レースに使うための必須条件で、ゲート試験をクリアしていない馬の登録は受け付けられないから、熱心にならざるを得ない。ゲート入りを単に嫌うというだけでなく、蹴る、抱え込もうとする、立ち上がる(いわゆる棹立ち)で、付き添いの担当者は一瞬たりとも目が離せず、気も抜けない状態が長時間続く。どうにかゲート内に収まったとしても、まだまだ安心はできぬ。ジッとしてないのだから……。“枠内駐立不良”というあれ。実戦ではしばしば見られているように、先に枠入りしていて全馬が終了するまで4〜5分も待たされるケースはよくある。少なくともそのぐらいは静かにとまでいわないが、暴れないで待つだけの訓練が要求され、今すぐにでもレースに使えそうなほど早い仕上がりを見せているのが25頭前後いる。北海道デビューで好成績を挙げる常連さん、伊藤雄、山内、森に、目野、岩元厩舎に片寄っている。さて、今年はどんなスターが誕生してくるのだろうか。

編集局長 坂本日出男

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