編集員通信


“二分さん、頑張ってや”

 18日、大阪の帝国ホテル内エンパイアルームに於て、この2月いっぱいで定年のために退職された二分久男元調教師の引退記念祝賀会がマチカネの馬主細川益男氏が世話人の中心となって催された。二分氏の義兄である布施正氏の死去から10日も経っていないことから、本来なら賑やかなことの好きな二分氏の性格を考え、舞妓、芸妓を祇園から招き華やか、かつ盛大にやりたい趣向だったそうだが、急きょ一転、粛々ととり行われることになったそうだ。

 出席されていた現役調教師の顔触れといえば、私と近い年輩者がズラリ。他人事ではない、自分もしっかり歳をとっていたんや。邦ちゃん(武邦)、成ちゃん(高橋成)、泰さん(池江)、さぶちゃん(湯浅)、昭ちゃん(野元)、小野ちゃん(小野幸)、彦ちゃん(須貝)etc。トレセン内だと、相手は先生。立場があるので人前でこそ遠慮しながら話しているが、こういった、特にお祝いの席上では、適度に嫌いでないアルコールも入っている関係で、お互い口は滑らか。すっかり20代の頃に戻って思い出話に花が咲く。まるで今浦島の観。

 余談だが、妙に気になったのはあの頭、この頭、どれも毛がフサフサ。さすがに白、灰色混じりは隠しようもないが疑いようもなく生え揃ってます。思わず聞いた「何でそうなん?」。70歳にして騎手試験に挑んだ猛者の内藤氏、今回の主賓二分氏も右に同じ見事なおつむ。他人からは60歳ぐらいと見られていると照れくさそう。それでいて、ちょっとだけ誇らしげ。いやいやそのとおり、どう見てもお世辞抜きで65歳以下だっせ。

 現在の二分氏は生まれ故郷の宮崎県へ帰られ、調教師として培ってきた豊富な知識と技術を生かして、アドバイザー的な立場で競走馬の生産、育成に関係した仕事に携っておられる。必ずや生気溢れる人の本領を発揮しその方面でも成果を上げられることだろう。

編集局長 坂本日出男

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