編集員通信


“話題も勝利も一人占め狙い”

 夏季の小倉開催だけを対象としたリーディング・ジョッキー争いを話題として大きく取り上げているスポーツ紙は多い。意味がないといえばないし、意義はあるといえば否定もしまい。地元の報道関係記者の団体が、個別に表彰しているが、今開催の貢献度ということで、メインレースの勝利騎手が、その対象となっていたように思う。僅か2カ月間ほどのこと、ジョッキーも北へ東へと三分されている時期でもあり、これまではほとんどそのことを意識して見ていなかった。

 ところが、今年は興味を持って見ている。6日目終了時点でトップに立っているのが10勝の秋山真一郎だ。次いで前評判の高かった福永6勝。ベテラン河内が5勝で二人を追う。両者に比べ乗り数の少ない河内は分が悪く、最終的には若い秋山、福永の争いになるのだろう。

 実は2月の初め、この編集通信で秋山については触れている。1月28日に、1日4勝の固め勝ちしたことに注目。評価したからだ。“やるやんか”と徐々にではあるが周囲が認知し始め、それがトップジョッキーの手薄な夏の小倉シリーズに移行し一気に依頼殺到となったわけ。技術はあっても、乗る馬がいなければ腕の振るいようがない。中でも38頭を依頼した坂田師の見る目は高かった。9勝を含む5着以上が22回もあった。3厩舎が5勝している。うち大根田也厩舎は12頭で、勝率0.417。鹿戸幸厩舎は連対率の方で0.375というハイアベレージを記録。依頼厩舎総数は東西合わせ56にもなる。秋山も十分に期待に応え、1週目2勝から2週目3勝、遂に3週目は5勝とトントン拍子で勝ち鞍を増やす大ブレーク。

 メインレースこそ勝っていないが、臨機応変の騎乗技術で一人光彩を放っており、もう完全に一人占めモードへと突入中。秋山絡みの馬券が基本になりそう。とりわけ乗り替わってきている場合は、特に詳細な検討が必要であろう。

編集局長 坂本日出男

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