編集員通信


“フルゲート未満なのに除外馬”

 第124回天皇賞(秋)競走の最終登録馬は、フルゲートの18頭に満たない17頭だった。にもかかわらず除外馬が出るこの不可解さ。登録馬の中に外国産馬が4頭含まれていた。

 日本中央競馬会競馬施行規定、一般事項の出走制限に関する2―1―(2)で、外国産馬の出走制限について、天皇賞(秋)は別に定める選定方法により2頭以内の出走を認めている。それによると、外国産馬での優先出走順位は(1)メイショウドトウ(2)アグネスデジタル(3)クロフネ(4)エイシンプレストンの順。規定によりクロフネとエイシンプレストンは除外される。ルールに則ってやっていることだから仕方ないこと、と言って終わらせられる問題ではないだろう。売り上げの減少、入場人員の激減を食い止めようと必死になってやっているといって憚らないJRAが、他方では、自らレースの興味を削ぎ落とし、つまらないものにしただけでなく、ファンの反発を買って競馬離れへ拍車をかける仕儀になりかねないことを拱手傍観している。

 フルゲートを超える分については、規則通りで悪くはない(現状)が、そうでない場合は、裁量権のある担当委員の決断によって決められても良さそうなものだ。外国産馬2頭が出られなくなって、登録馬全馬が出走してきたとしても結局は15頭立てになる。そのうち、今の時点ではトロットスターがマイルチャンピオンシップの方へ目標を転換する意向だそうだから更に物足りなくなろうとしている。クロフネ、エイシンプレストン陣営は当然あるべき事態を想定していたので、改めて別路線へ向けて仕上げの軌道修正をすることになるのだが、空席を目のあたりにしながら、満席という理由で乗車を断わられた客が、プラットホームから出て行く列車を見送らねばならない忿懣やる方ない心情にも似て同情を禁じえない。あまりにも形式にとらわれ過ぎ、応用や融通のきかないことに呆れ返るばかりだ。私の考え、間違うてまっしゃろか?

編集局長 坂本日出男

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