“ワールドSJSに武豊は不出場”
12月1、2日の第5回阪神競馬1週目に組まれている第15回ワールドスーパージョッキーシリーズに、武豊の出場予定はない。実施要綱でみる出場騎手の選考基準は、外国騎手については、原則としてJRAが選定して招待するが、勝利度数が基準になっている。北アメリカ地区(カナダ、アメリカ合衆国)2名。ヨーロッパ地区(フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、イギリス)3名。オセアニア地区(オーストラリア、ニュージーランド)2名。アジア地区(香港)1名、地方競馬1名。 JRAの代表は、1月1日以降10月28日までの勝利度数(地方競馬指定交流競走及び外国競馬の競走であって、理事長が別に指定する競走を含む)上位、東2名、西3名の計5名とする。尚、予定の地方騎手(補欠騎手を含む)が騎乗できなくなった場合は、改めて地方側の推せんを依頼し、JRAが決定する。JRA代表の騎手については、その騎手と同地区の勝利度数上位者を補欠として騎乗させる。 そこで武豊だが、日本における勝利度数は少なく、JRAの代表という点では既に圏外。主戦場をフランスに移していて、ヨーロッパ地区からの招待騎手という形についても、彼の地での勝利度数がネックとなって招待の対象から外されている。そもそもこの催し物の主目的は何だったのか。その時点での世界の頂点に位置するジョッキーを一堂に集め、馬だけでない競馬の持つ極致を広く世間に知ってもらうためではなかったのか。大多数のファンは、そうした場だからこそ、その輪の中での武豊のプレーを求めているはず。たまたまアメリカからフランスへと拠点を移した環境の変化、落馬骨折によるブランクがあったりして検討に値する勝ち鞍を残せなかったかも知れないが、フルゲートにも満たないにもかかわらず規則を楯にとり除外馬を出し、それを是とした先の天皇賞に続き、ここでも杓子定規な考えから抜け出せない体質があからさまに出ていて失望した。客を集め、入場料を取って競馬を見せるわけだから、客の求めるものを汲んで座に興することこそ興行主の責務、との心得はござらぬごようす。 編集局長 坂本日出男 |
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