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編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
外国馬の取材






 

◆“外国馬の取材”

 いま自分はなにをしているのか、そして今日が何曜日なのかもほとんど理解できていない。そんな精神状態のまま、なにかに憑かれたようにパソコンに向かって原稿を書き続ける。時間は限られている。なのに、処理すべき原稿は山積みされたまま。朦朧とした意識のなかで指はひたすらキーボードを叩き続けている。そんなこんなの1週間だった。

 エリザベス女王杯の週は心底忙しく、原稿処理に追われた。2週連続で関西でG1がある週はG1増刊号、当日版、そして週報に追われる最多忙週だと春にもこの欄で書いたが、誤算だったのはエリザベス女王杯に外国馬が2頭出走してきたこと。普段なら関東馬は関東、関西馬なら関西でそれぞれの取材班が密着していて、それなりに突っ込んだ内容の原稿を送ってくるが、外国馬の取材となるとそんなわけにはいかない。その馬に対する担当者もいなければ知識もほとんどないのだから。

 すべてはJRA広報室から送られてくる資料が頼り。もちろん、それまでの外国馬の全競走成績は資料としてあるし、白井へも京都競馬場へもケイバブックの取材記者は駆けつけている。しかし、調教の動きや気配についての原稿は書けても、関係者の本音や胸算用に迫る取材はなかなかできない。国民性の違いもあるのだろうが、彼らの正式コメントは「好勝負」「ビッグチャンス」といった希望的観測が多い。それも、日々、コメントの内容が変化する。それを当日版に原稿として仕上げるのが今回の私の役割。取材班に感触を聞き、資料に目を通し、日々のコメントを比較してなんとか原稿を作成。ただただ疲れた。

 この原稿を書いているのは15日(土曜日)の夜。ヨレヨレになりながらも増刊号、当日版、週報関連の原稿が片付いた。これで明日は気楽にレース観戦だと気が緩んだ瞬間、「マイルチャンピオンシップに使う外国馬の談話がまだ出てないぞ!」と悪魔のような声。ハンマーで頭を叩かれたような衝撃に目の前が真っ暗になった。

 取材はたしかに大変だが、かといって日本のG1レースから外国馬が姿を消したとしたら、それはそれで鎖国競馬の時代にタイムスリップしたようで悲しい。今年の関西で行われる古馬G1戦もあとはマイルチャンピオンシップを残すだけ。1週間ぐらいは深酒を控え、勤務時間内の無駄口でも控えてみようと思っているが、考える前に口が勝手に動き出す性格。実現は難しい。


競馬ブック編集局員 村上和巳


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