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編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
アレルギー






 

◆“アレルギー”

 数年前からフケに悩まされている。フケというよりも頭皮が次々にはがれ落ちているといった方がいいくらいの状態。だから黒っぽい服を着ることができない。肩や背中が真っ白になってしまうのである。シャンプーやリンスを替えたりとあれこれ努力してみても結果は一緒。皮膚科にでも行ってきちんと相談しなければとも考えるが、生来の医者嫌い。実現しないまま現在に至っている。

 先日の火曜日、行きつけのカットハウスでその話が出た。その店のマスターの勧めもあって『ヘア・エステ』なるものに挑戦した。フケの悩みが解消すると聞いて挑戦を決意したのだが、根が大雑把な私のこと、なにをどうしてどうなるのかなんてさっぱり理解していないままの決断だった。じっくりとマッサージをして角質化した皮膚を落とし、異なったイオン水に頭を浸すこと再三再四。想像以上の時間を費やして『ヘア・エステ』は無事に終了した。

 「これで悩みから開放されます。もし、日数がたって再発したなら、それはもう、極度のアレルギー症状ということでしょう」と自信満々のマスター。ガサついていた頭皮の感触が消えて妙に爽やかな気分になった私は「新陳代謝を促進するために毛を刈り取られた競走馬を何頭か目撃したが、彼らもこんな気持ちになっていたのか」なんて気楽なことを考えつつ、「これだけ爽快になったということは、角質化した皮膚と一緒に私自身の型に嵌まった古い思考回路や馬券作戦における勝負弱さまでサッパリと洗い流せたんじゃないか」と密かに胸を躍らせていたのだった。

 そして週末の土曜日。木、金といつも担当している当日版の本文の精度は過去に例がないほど低かったし、土曜日の馬券作戦では完敗を喫してしまった。ひとレース外れるごとに頭を掻きむしるせいか、最終レースが終わってみると肩も背中も例によって真っ白に。『ヘア・エステ』の効果は数日にして消えていた。悄然とする私に『アレルギー』という言葉が追い討ちをかける。心当たりがあるとすれば『外れ馬券アレルギー』か『極貧アレルギー』ぐらい。こんな状態では皮膚科に相談に行っても効果なんてないよな。


競馬ブック編集局員 村上和巳


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