〈 ところで皆さん 〉

中央競馬もいよいよあと２週。ＧIシリーズもあと２週になりました。最終日の有馬記念には、宝塚記念以来になるマーベラスサンデーが出走を予定しています。エアグルーヴ、バブルガムフェローとの対戦が大いに楽しみです。〈ところで皆さん〉。11月６日に阪神競馬場で行われたシリウスＳでトーヨーレインボーが初めて重賞を制しました。おめでたいことなんですが、注目したいのは、そのトーヨーじゃなくて、２着にきたシャドウクリークなんです。この馬、強い時は強いんですが、外から被せられると走るのをヤメてしまうという厄介な気性。シリウスＳの前の２戦も４コーナーで２番手という絶好の位置にいながら、外から交わされると直線バッタリ。勝ち馬から２秒以上も離される大敗を喫していました。さすがに厩舎側も業を煮やしたようで、それまでの先行策から追い込み策への作戦変更を宣言しました。それが見事に決まったんですねえ。時々あるんです。こういったケースが。しばらく前に、ウィッシュドリームという馬がいました。ダービーに出たほどですから、能力はありました。それが900万を勝ったあとサッパリ。行ってはタレる、行ってはタレるの繰り返しでした。そこで取ったのがシャドウクリークと同じ追い込み策。この馬の場合も緒戦でドンピシャリ決まりました。後に金鯱賞、朝日ＣＣの２つの重賞を勝ったのですから大成功と言っていいでしょう。シャドウクリークも、ウィッシュドリームも、ハナ切れるだけのスピードがありました。スピードをどこで活かすかなんです。「最初に使う瞬発力を最後で使う」。ハナ切れるほどのスピードを持っている馬なら、これが可能なんです。戦法の変更すべて成功するとは限りませんし、厩舎がそれを言ってくれないと知る術はないわけですが、先行して頭打ちのスピード馬が追い込み宣言をしたコメントを見つけた時には上級条件、下級条件を問わず、十分な注意を払ってください。オイシイ馬券探しの有効な方法ですよ。 （関西競馬ブックデスク・井戸本征彦）

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