編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 昨年、皐月賞、ダービーを制覇したサニーブライアン、宝塚記念を制したマーベラスサンデーが引退しました。どちらも足元の故障で。最近は、強くて、速い馬は、昔のように長く現役生活を続けるケースはほとんどないと言っていい状態です。〈ところで皆さん〉。昭和53年にインターグシケンという馬がレコードで菊花賞を勝っています。タイムは3分06秒2でした。同じ年の桜花賞は1分36秒9(オヤマテスコ)。皐月賞は2分04秒3(ファンタスト)。オークスは2分30秒2(ファイブホープ)。ダービーは2分27秒8(サクラショウリ)です。・・・平成5年のビワハヤヒデが3分04秒7。6年のナリタブライアンが3分04秒6。7年のマヤノトップガンが3分04秒4。8年のダンスインザダークは3分05秒1。これが最近の菊花賞の勝ち馬と勝ち時計です。時計差の大きさに唖然とさせられませんか。もちろん馬の質の向上もあるでしょう。でも、昭和53年の桜花賞の時計では、今なら未勝利を勝つのも難しそうです。いくら馬が強くなっていると言っても、やっと未勝利を勝つ程度の馬が、いくら20年前とはいえ、桜花賞を勝つとは思えません。要するに馬場が変わったのです。敢えて、良くなったとはいいません。パンパンに硬い馬場が時計を速くしているのです。そして、馬の足元に負担をかけているのです。追い風の速さに制限があり、ほぼ同じ状態といっていいトラックで行われる公認の陸上競技のタイムなら世界中で認められます。日本の競馬でどんなに凄いタイムが出たとしても、どれほどの価値があるのでしょう。もし、足元に故障が発生しなければ、今年9歳のビワハヤヒデ、8歳のナリタブライアンは無理としても、サニーブライアン、マーべラスサンデー、マヤノトップガン、ダンスインザダークが一堂に会するレースが見られたかも知れません。強い馬が長く活躍してくれることが、ファンにとっては何にも増して嬉しいことではないでしょうか。トレセンには坂路、ウッドチップコースが作られ、調教での馬の足元への負担は大幅に軽減しました。今度は競馬場です。土の問題、芝の問題。難しいのは十分に承知していますが、“馬に安全な馬場”づくりに本腰を入れて取り組んで欲しい。この種の投書は週刊競馬ブックのファンのページにたくさん寄せられます。そんなファンの方々と、私のJRAへの心からのお願いです。

(関西競馬ブックデスク・井戸本征彦)


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