編集員通信

　今年の皐月賞は、圧倒的１番人気に支持されたスペシャルウィークが、３着に敗れました。やはり18番の大外枠が応えたのでしょうか。大外枠の影響もあったかも知れませんが、仮柵を外した内は絶好の状態。外目は荒れているという馬場状態。前に行った１着のセイウンスカイ、２着のキングヘイローと、後方からの競馬になったスペシャルウィーク。今年の場合は、脚質の差が大きく明暗を分けたようにも思います。

〈ところで皆さん〉クラシックでは、常識的には不利と思える大外枠から、けっこう多くの勝ち馬が出ているんですよ。中央競馬が、それまでのバリヤースタートから、スターティングゲートに替わったのが、昭和35年の７月の小倉競馬から。そして、それ以降のクラシックレースで、勝った大外枠の馬は、昭和42年桜花賞のシーエース（20番）、皐月賞のリュウズキ（14番）、43年桜花賞のコウユウ（24番）、44年オークスのシャダイターキン（９番）、平成元年桜花賞のシャダイカグラ（18番）、３年皐月賞のトウカイテイオー（18番）、オークスのイソノルーブル（20番）、ダービーのトウカイテイオー（20番）、菊花賞のレオダーバン（18番）、７年桜花賞のワンダーパヒューム（18番）、８年菊花賞のダンスインザダーク（17番）、９年桜花賞のキョウエイマーチ（18番）、皐月賞のサニーブライアン（18番）、オークスのメジロドーベル（16番）、ダービーのサニーブライアン（18番）。15頭もいるんです。

ここで注目してください。平成３年と平成９年は、大外枠の馬が４頭もクラシックを制しています。他の年は、昭和42年の２頭、１頭勝った年が５回あるだけ。大半の年は勝っていません。なのに、５レースしかないクラシックで、大外枠の馬が４頭も勝った年が２回も。どうやら、“大外枠の年”というのがあるようです。そんな年は当然のことながら、桜花賞か、皐月賞で大外枠の馬が勝っています。この２つのレースで大外枠の馬が勝たなかった年は、（９頭立てだった昭和44年のオークスは例外といっていいでしょう）平成８年のダンスインザダーク以外、大外枠の馬は勝っていません。今年は“大外枠の年”ではないようです。このあと、オークスとダービーで、人気馬が大外枠に入った時は、疑ってかかるのが正解かも知れません。

（競馬ブック関西デスク・井戸本征彦）

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