編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 ヨーロッパに遠征中のシーキングザパールは果たして何着だったのか。9日の深夜には結果がわかります。楽しみですねえ。そして、もう1頭、タイキシャトルの方は8月16日の午後10時から11時の間にラジオたんぱでライブ放送があり、その日の深夜にはBSテレビでレースの模様が放映されるとのこと。こちらも大いに楽しみです。

タイキシャトルは、これまで10戦9勝、2着1回。安田記念、スプリンターズS、マイルチャンピオンとGI3勝。あと、GII2勝。GIII1勝という素晴らしい成績で、現在、Gレースを6連勝中です。わが国の短距離界では正に無敵。それだからこそ、世界の大舞台でも大いに期待される訳です。
しかも、タイキシャトルの出るジャックルマロワ賞は、大本命と目されるインチカブが骨瘤が出たとかで、回避の可能性もあるとか。何を姑息なことを、と軽蔑されるかも知れませんが、もしそうなら、いやが上にも期待が高まります。

〈ところで皆さん〉。そんな強いタイキシャトルを破った唯1頭の馬の名前をご存じですか。「テンザンストーム」。今年5歳になる牝馬です。時は昨年の7月6日。場所は阪神競馬場。レースは芝1400mの菩提樹Sでした。テンザンストームという馬、揉まれると力の半分も出せないタイプですが、スピードは抜群といっていいモノを持っています。このレース、テンザンストームは前半の3ハロンを33.5秒という猛ダッシュを見せてハナに立ちました。タイキシャトルもスプリンターズSでは32.9秒で行っています。その気になれば行けたのでしょうが、強敵・トーヨーレインボー(後にGIII2勝)がいては無理はできません。2番手に控えるレースになりました。直線、一寸刻みに差を詰めたものの、結局はクビ゛差届かず。痛恨の(今思うに)敗戦を喫した訳です。

今、テンザンストームは放牧に出されています。タイキシャトルを破った後の成績も冴えません。ただ、いかに展開のアヤとはいえ、あのタイキシャトルを破ったテンザンストームの凄さ(今にして思えば)は、タイキシャトルが強くなればなるほど、輝きを増してきます。ファンの皆さん、「テンザンストーム」という名前を覚えてください。詳しい近況は、8月31日発売の「週刊競馬ブック」でお知らせする予定ですが、もし、彼女が復帰して、ターフに姿を見せた時は、「ああ、あのテンザンストーム」かと、記憶を呼び戻し、精一杯応援してあげてください。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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