編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 8月15日の巨人戦に負けて阪神タイガースが11連敗。球団の連敗記録を更新しました。その時点で勝率が0.347。パリーグの打率部門のトップを走るイチロー選手の打率0.390に遠く及びません。日本のプロ野球で、打者の打率より、チームの勝率の方が下回ったことなど、これまであったのでしょうか。たとえ過去にそんなことがあったとしても、今の阪神の不甲斐なさは、私のような虎キチの毎日を、心底から暗いものにします。

 もっとも、モノは考えようです。ちょっと前、パリーグのロッテが18連敗しました。それに比べると11連敗ぐらいどおってことないない。こういう考え方をして、負けても、負けても、球場に足を運ぶのが、阪神ファンなんです。何故なんでしょうかねえ……。

〈ところで皆さん〉。連敗といえば、皆さんは馬券でどれくらい連敗した経験をお持ちですか。私の知り合い(恥ずかしくて、わが社の社員などとはとても言えません)に58レース連続不的中という猛者がいます。58回も外れたレースを数えていたのですから、性格はきっちりしています。競馬の仕事をしている(秘密ですが)のですから、もちろん競馬には人並み以上の知識も持っています。

だったら、何故、そんなに馬券を外すのか。オッズなんです。競馬が終わったあと、“やっぱりなあ。思てたとおりや。そやけど、これ安いからなあ”。これが、この猛者の口癖なんです。1000円以下の配当には見向きもしません。“ワシの守備範囲は4000円以上”。どこから4000円がきたのかは知りませんが、ずっとこのスタンスを崩しません。新聞とオッズ表をニラメッコ。プロらしい絶好の軸馬をみつけながら、配当が安いといっては、捨てる。たとえその馬を買っても、相手には4000円以上つく馬を選ぶ。ゴルフは上がってナンボ。馬券は当たってナンボ。いくら忠告しても聞く耳持たず、なんです。58連敗に納得いっていただけたと思います。

 ただ、オッズ表も使いようひとつで大いに役立ちます。この猛者の使い方は間違った使い方。朝、早目に競馬場か、ウインズに行って、その日のオッズ表(1回10円)を取り出してください。そして、単勝の配当を見てください。その中から3桁の配当を探して、新聞のシルシを見てください。◎や○がズラリ並んでいる馬の3桁は当然。×がチラホラ。…がほとんどなのに3桁配当。こんな馬を見つけたら、「買い」です。大抵とまでは言いませんが、これが結構来るんです。こういった馬は、朝のうちが安いだけで、レースが近づくにつれて配当が上がってきます。だから、レース直前では発見できません。そんな馬を見つける。これが、正しいというか、お得なオッズ表の使い方。“早起きは三文の得”。一度試してみてください。オッズを参考にしても、58連敗なんてことはない筈です。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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