編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 ナリタブライアンが、8歳という若さで急死しました。4歳で4冠(皐月賞、ダービー、菊花賞、有馬記念)。全身バネを思わせる黒光りする馬体。豪快なアクション。ここ10年、これほど“強さ”を感じさせる馬はいませんでした。

 「ブライアン」「ナリブー」、ファンから、愛称で呼ばれた馬も、これまでの記憶にありません。3200mの天皇賞のあと、1200mの高松宮杯を使った時は非難ごうごうでした。が、その日の中京競馬場の入場人員は74,201人。ちなみに、前日の入場者は26,196人でした。おそらく、この記録は今後、破られることはないでしょう。結果は4着。6ハロンのスペシャリストを相手にして、1分08秒2。桁違いの入場者の数とともに、ブライアンの「凄さ」、「人気の高さ」を思い知らされたものです。

 今、ブライアンの死を悲しむ投書が数多く届いています。ここでもまた、ナリブーが、いかにファンに愛されていたかを、改めて思い知らされています。

〈ところで皆さん〉。今週の週刊競馬ブックのカラーグラフは、「惜しまれる死・ナリタブライアン」の特集です。朝日杯3歳S、皐月賞、ダービー、菊花賞、有馬記念のGI5レースと、最後の勝利となった1996年の阪神大賞典のゴール写真。種牡馬入りした後の牧場での立ち姿。デビューからラストランとなった高松宮杯までの成績テーブル。出生の時、華々しかった競走生活、名牝との間に生まれた初年度の産駒のこと。「ナリタブライアン」に想いを馳せてください。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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