編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 タイキシャトルのブリーダーズC遠征が取りやめになったようです。ちょっと寂しいような、ちょっとうれしいような、複雑な気持ちです。“うれしい”というのは語弊があるかも知れませんが、あの強いタイキシャトルを日本の競馬場で見られるんですから、“うれしい”じゃありませんか。

〈ところで皆さん〉。以前、紹介しましたタイキシャトルを破った唯一の馬・テンザンストーム(牝5歳、栗東・星川厩舎)が放牧から帰り、調教を始めました。9月20日、23日に札幌競馬場で軽いところ。栗東に戻って、30日に6ハロン86秒0。10月8日はBコースの八分どころを通って、6ハロンから、77.6−62.1−49.5−36.8−12.5という速い時計を引っ張り切りでマーク、併せた準オープンのヒダカリージェントを圧倒する素晴らしい動きを見せました。ケイバブックTMの攻め短評が、“好調時の動き戻る”。

 私、この馬がタイキシャトルに勝ったレースの単勝(1760円)を取ったこともあって、肩入れが過ぎる気もするんですが、タイキシャトルの大活躍だけでなく、そのレース3着のトーヨーレインボーが後に重賞で2勝したことからも、テンザンストームという馬の潜在能力の高さは推し量っていただけると思います。ですから、イレ込み過ぎということは決してない筈ですし、惚れこんだ馬に、こんな時計、こんな動きを見せられると胸がワクワクしてくるのも分かっていただけると思います。攻め馬の量はそれほどでもありませんが、6ハロン77秒台の時計を出すぐらいですから、足元の心配はなくなった筈ですし、出走も間近の筈です。可能性の高いのは、京都3週目土曜日の900万の鞍馬特別(芝1400m)でしょうか。

 もし出てくるようなら、迷わず単勝を買います。勝てば勿論ずっと買います。負けても買い続けます。阪神タイガースと一緒。勝っても、負けてもいいんです。見ていることに意義があるんです。こんな馬も1頭ぐらいいてもいいでしょう。とにかく、テンザンストームの復帰が待ち遠しくて仕方ありません。皆さんも注目してください。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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