編集員通信


コロコロ変わる特別レースの条件


 出走馬は年毎に変わるので、同名のレースでも年々歳々、同じような結果が出るはずもない。しかし、そのレースの傾向というものは積み重ねられたデータによって汲み取ることが出来る。データの重要性はそこにある。従って対象となるデータ量は多ければ多いほど良い。

 JRAの番組担当者の真意は知る由もないが、〇〇特別、〇〇ステークスと銘打っていて、10年間も項目が変わらないでレースを施行した例は、GI、GII級を除くと稀なことだ。
 冬を春に持って来るとか、900万を1600万クラスに当該条件の変更もたまにある。

 頻繁なのは距離の変更。1200mを1400m(その逆も)にする程度ならまだまし。2000mを1200mへ大幅短縮したり、ダートを芝への変更など日常茶飯事。別定とハンデ戦とかの負担重量の変更はない方が不思議なくらいコロコロ変えられる。

 本来、競馬番組は1年分が組み上がっており、一部条件該当馬の頭数によるレース変更は一般レースにあるものの、特別レースの変更はない。1年を通して、幾ら下級条件馬であっても頂点を目指して育てられるものだから、各馬が自分に適したローテーションを組んで行く。毎年猫の目のようにクルクル変えなければならない筋合いのものではないし、出来るだけ変えない方が良い。
 ただし、厩舎サイドの希望でそうなっているのなら別だが……。部外者の口を差し挟む余地はない。

 それはそれとして、データを勝ち馬検討のひとつの拠り所としている者にとっては誠に迷惑千万な話なのだ。弊社も当日版にはささやかながら「データの囁き」というコラムを設けている。芝とダートの違いは、全く別のレースになる。距離の違いも流れが変わり同一視出来ない。芝の内回り、外回りコースや、別定とハンデ戦の違いまで言い始めるとデータにならなくなるので、そのへんを許容範囲として扱っているが、時にはコーナーはお休み、ということもあるのでご勘弁願いたい。

 ちなみに、競馬番組を作るにあたっての主な項目は、出走出来る馬の年齢。馬場(芝、ダート)。距離。負担重量。クラス区分。

編集局長 坂本日出男

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