編集員通信


“前走比馬体重2桁増減に注意”

 競走馬ほど激しい運動をしない馬でも、1日のうち体重の変動は5〜18kgある。競走馬の前走比の馬体重は4kg以内が多いとされている。これは同時に、調教技術の優秀さを示すものでもあろう。少々の体重の増減は、成績には直接結びつかないようだ、と言われているものの、やはり気になるものである。

通常は±10kgがひとつの目安になり、2桁台の差が出れば凡走例も多くなっているため、取捨はより慎重に考えられてきた。小倉競馬が開幕して早や3週目を消化した。比較の意味がない新馬戦を除いた61レース分で見ると、前走比10kg以上重くなっていて連対したのが17頭いた。逆に10kg以上マイナスしていたものが5頭。まず言えることは、2桁のプラス体重は必ずしも減点材料にならないということだ。最も重かったのは3日目1Rのバンブーサミー(1着)だった。4カ月の放牧休養明けでプラス18kg。新馬2戦だけのキャリアだったから、多分に成長分が含まれていたはずである。見た目にも明らかに太かったのだが、能力が違ったということ。マイナス体重の最高は5日目2Rのシルキークララ(2着)で12kg減。本来410kg台の体なので、前走(笠松)の時が重かったわけ。細くなったのではなく、本来の体重に戻っていたのだ。

開催当日のトレセンから競馬場への輸送によって10kgぐらいの変動はある。現地競馬はそれがない分、10kg程度のプラスはあり得るし、成績不振の原因にはなってない。競馬場が違うことで、共通したプラス、マイナスの生じることもある。
 この小倉戦も中盤に入り、同じ計量器で計る2走目以後の2桁増減は、前半戦とは事情も異なるので改めて注意が肝要。
編集局長 坂本日出男

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