編集員通信


“園田のジョッキー赤木高太郎さん”

 8月29日小倉競馬場記者席スタンドへ、小麦色に日焼けした精悍な顔つきの青年が上がって来た。弊社川田記者の紹介で交換した名刺には、NAR騎手 赤木高太郎と印刷されていた。以前週刊競馬ブック誌上でも、ハイランド真理子氏がオーストラリアへ修業に行っている折り、こと細かに伝えていた兵庫県所属の騎手なので、満更知らないわけではなかったのだが、直に会ってみて、礼儀正しく非常に好感の抱ける若者といった印象を受けた。小牧から聞いた、小倉での騎乗時に受けたカルチュアショックの数々。ひとつひとつが実に刺激的だったそうだ。サラブレッドはオーストラリアにてレースで騎乗しており知らないわけではないが、小牧の口を通して聞く“JRAの馬は、どれもホントに柔らかい”と言う言葉の響きが胸を打ち、ワクワクさせられたとか。

今、さし当ってJRAへ遠征して来れるパートナーになる馬はいないそうだが、例えば、来週来れるようなことになっても慌てず、ただちに戸惑いなく戦えるような心の準備だけは整えておきたいと考えているようだ。6階のスタンドから全体像を把握している中で、戦いの進め方、流れを見るだけでも意義はあろう。検量室はどうなっていて、検量の方法は?パドックはどうか?騎手の控え室(ジョッキー・ルーム)は、と川田記者の先導で、許された入り込める領域内は隈なく見て回っていた。レース直後の記者インタビューの様子までも参考にしようという姿勢はどこ迄も貪欲だ。秋には、ぜひ阪神競馬場も見学したいので、その節もよろしくお願いしますと言い残して帰って行った。見学ではなく、その時にはジョッキー赤木として相棒を伴って殴り込んで来て欲しいものだ。


編集局長 坂本日出男

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