編集員通信


“9歳馬で0勝86敗、只今現役”

 9月5日、アメリカのマサチューセッツ州ノーザンプトン競馬場での未勝利戦で3着に敗れたジッピーチッピー(セン9歳)が、米国サラブレッドの連敗記録を更新した、というニュースが伝えられて来た。94年9月デビューで、通算成績は86戦2着6回、3着11回。いかにもアメリカらしい記録ではないだろうか。9月9日現在で栗東トレセンに在籍している5歳以上の未勝利馬は35頭、うち5頭が未出走馬で、9頭は障害入りしている。すべて5歳馬で、6歳以上はいない。それももっともなことで、競馬施行規則の一般事項の中には、出走制限が盛り込まれた項目がある。


(1) 4歳未出走馬及び未勝利馬は第5回京都(11/6〜11/28)及び第5回阪神(12/4〜12/26)の平地競走に出走できない。注、99年度分。

(2) 5歳以上の未出走馬及び未勝利馬は、東京、中山、京都、阪神競馬の平地競走に出走できない。

となっている。つまり、この条件に該当すると、ローカル競馬の方へ回りなさい。そうでなければ、障害競走に使いなさいという勧告だと受け止めてよい。預託料は決して安いものではない。出走出来るレース場を限定された稼ぎの少ない馬は長く、しかも快く厩舎に預って貰えないだろう。馬主にしても預け辛いと思う。障害馬でない未勝利馬は、5歳一杯が現役馬としての限度。見限られて去って行く古馬と入れ替わりに、馬房の空くのを待っていた3歳馬や、4歳未出走馬が入厩してくる。その繰り返しが今の繁栄を支えてきている。

 86戦もして未勝利なのに現役として走っていることは、JRAでは無理な話。馬房制限がないからこそ可能なのだろう。そうした馬が走り続けられる仕組みは日本にないわけではない。制約つきながら、一部の地方競馬では出来るそうだが……。9歳馬の出れる未勝利戦のあることの方に驚いている。

編集局長 坂本日出男

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