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競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
気の遠くなるような先の話






 

◆ 気の遠くなるような先の話

 2001年の掉尾を飾る有馬記念の追い切りが行われた12月21日、美浦トレーニングセンターの坂路コースに、サングラスをかけ赤い例のサンタクロースのコスチュームに身を包んだ得体の知れない騎馬の一団が列をなして駆け上がってきた。その正体は、蛯名をリーダーとした若手ジョッキー達。クリスマスを前にして盛り上げようとの思惑だったそうだが、事前に手配り、気配りが不足していたようで、厩務員の労働組合から「ルール無視」という理由のクレームがついた。一方、トレセンの古川場長からも、「馬場を利用する者はヘルメットを着用しなければならない」条項に反していると厳重注意が出されている。日本調教師会は「堅苦しいことはいいたくないが、ルールがあるし、今後こういうことのないように指導して行く」とコメントしていたそうだ。

 実は2〜3年前、同様のことが栗東トレセンでもあった。四位、武幸四郎、千田、福永等若手のメンバーが、伊藤雄厩舎所属馬を拝借して、調教時間も終了間際に頃を見計らって馬場へ乗り込んできた。やはりクリスマス前のことで遊び心からやったわけだろうが、その折りも調教師、騎手、助手で構成している馬場保全委員の方からキツい叱責を受けている。その場のルール違反は咎められても仕方ない。それはそれとして、全員が衣装を揃え、見る人を楽しませたいと願ってやった気持ちは汲んでやりたいし、それなら、レース当日の休憩時間を利用し、サンタクロースパレードを盛大にやらしてやればいい。

 ついでにJRAからプレゼントを用意してもらい、馬上からファンへ向けて投げ入れる(ちょっと乱暴か?)。誘導馬の臀部にクリスマスカードを貼付して先導するクリスマスキャロルH、サンタクロースHの趣向は悪いわけではないのだが、ファンとのふれ合いを大切にしたいと思っているジョッキーのやる気を疎かにしては勿体なさ過ぎる。気の遠くなるような先の話だが、今年の暮れの催し物のひとつとして、JRA、騎手会共に是非一考願いたいものだ。


編集局長 坂本日出男


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