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2ツの引退式で感じたこと

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◆ 2ツの引退式で感じたこと

 京都競馬場において、1月13日にテイエムオペラオーとメイショウドトウが合同で、翌週の20日にはステイゴールドと立て続けに引退式が行われた。

 この時期になるとこうした形でなくとも毎年新旧の交替がひっそりと進められている。去る者がいれば来たる者がある。13日にはシンザン記念でタニノギムレットが、そして20日には若駒ステークスでモノポライザーが引退した偉大な先輩の後継候補としてその眼前で早々に名乗りを挙げていた。

 8歳まで走り50戦したステイゴールドは、夏場は決まったように3カ月程度の調整休養を与えられたのと、小柄であったことも幸いして故障知らずの現役生活であった。引退式直後のラストランで見せた元気溌剌とした走りは、応援してくれた多くのファンに対するステイゴールドの心からの「答辞」であったろう。

 13日は少し複雑な気持ちにさせられた。テイエムオペラオーの体調が芳しくなかったために走れなかったのはやむを得ないこととして、2頭が同時に馬場入りし、横に並び合っての記念撮影が始まった。メイショウドトウの周囲は黒山の人だかり、対してテイエムオペラオーの方は指折り数えられる少人数。比較される対象がいなければ心にもとめられないような光景なのに、ああいった形で人前に立つと、総収得賞金は史上最高の18億3518万9000円、G17勝(史上最高タイ)という輝かしい成績であっただけに、競争の場からの去り際があまりにもてらわず飾らなさ過ぎて淋しくさえ映り残念で仕方ない。オーナーサイドがそれで納得しているのだろうから、これは差し出口なんだろうけど……。

 まあしかし、これで終わったわけでなく、これからがサラブレッドとして付加される価値の高さを問われる種牡馬生活が始まる。是非その面においても、歴史に名を残す成果を収めて欲しいものだ。


編集局長 坂本日出男


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