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初出走馬の調教過程に注視

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◆初出走馬の調教過程に注視

 森厩舎のフジヤマキセキが1月5日の京都初日新馬戦に出走してきた。エストレーノに9馬身差ではあったが2着を確保している。事前の調教(栗東トレセンにおける)は12月29日DWでの73.2−56.8−42.5−13.2と、1月3日ゲートから12.8−12.2−13.1−14.3の2本。一般的に見て、攻め馬量が足りないと受け止められる本数なのだが、体の方は十分に仕上がっていた。

 栗東から車で40分ばかりのところにあるグリーンウッドパーク、という非常に優れたトレーニング設備を有する施設で、栗東トレセン入厩を義務づけられている制約ギリギリの日まで入念な調教を続けられていたのだから仕上がっていて当然。1周1000mのコースは、砂とゴム材にウレタン繊維を混ぜた素材を敷き詰めており、トレーニング効果をかなり高める工夫をされている。坂路も併設されていた。自動計測システムによる600mのラップタイムの採時も実施しており、調整の進行状況を分析、把握するのに役立っている。

 外で仕上げて直前にトレセンへ連れてくるケースは、今後漸増することだろう。今回のことで安易な「攻め量が足りない」といった評は避けねばならないと編集担当記者は肝に銘じさせられた。取材記者(トラックマン)に対しては、特に初出走馬や長期休養明けについては、放牧先で乗り込んできていることを前提にしてコメントを取ったり、馬体観察に手ぬかりのないよう指導している。

 実は、過日グリーンウッドパークに赴き、ファンのために調教タイムを公開してもらえないものかと相談に伺ったのだが、所有者の馬主、管理責任者の調教師全員の同意を得られないとできないこと(ごもっとも)、グリーンウッドパークの意志だけでは決定できる問題ではない。預託者の総意となるとまず無理なのでは……との返答。今のところは成り行きを見守るよりなさそうだ。


編集局長 坂本日出男


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