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編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
台風の爪痕






 

◆“台風の爪痕”

 台風10号の影響で8月9日(土曜日)の新潟開催が中止となり、その日程は11日の月曜日に代替となった。小倉、函館は予定どおりに消化されたものの、いつも週報作りにバタバタする日曜夕方の栗東本社は別な部署のような静けさだった。しかし、本来は休日のはずの月曜日に出勤する破目となり、特別登録が発表される夕方5時には、例によって社内がバタついた。まあ、この程度のことなら休日が一日減ったと諦めれば済むが、深刻なのは被災した地域とその住民たち。とりわけ、台風の爪痕が深く残ったのは馬産地として知られる日高地方。管内の新冠、門別、平取の三町には災害救助法が適用されたほどだから、その被害の大きさが判る。

 「十数頭のサラブレッドが水死したり行方不明になったり。なかには数千万の値がついても不思議ないブライアンズタイムの1歳馬もいたそうです。まだ地元ではライフラインが寸断されたまま陸の孤島になっている地域も残っている状態で、採草地はもちろん、放牧地がダメになった牧場もかなりの数。ダメージを受けて廃業を余儀なくされる生産者も少なくはないでしょう。日高全域の被害が何億(もしくはそれ以上)になるのか試算できないほど」

 電話取材に応じてくれたのは道新スポーツの山根千治さん。私同様に北海道で生まれ育った、馬産地事情に精通している競馬担当記者のひとりである。日頃は歯切れがよくて流暢なはずの電話越しの声がいつになく途切れがちで重苦しかった。それだけでも、日高の窮状が伝わってくる。

 この台風被害については8月18日発売の週刊ケイバブック・日高通信コーナーでも取り上げている。『馬産地を助けてください!』と本誌宛にメールを送ってくださった八塚美香さんをはじめ、何人かの読者の方から支援を求める声が届いた。日本赤十字社北海道支部を中心にした北海道災害義援金募集(配分)委員会は9月12日まで、台風10号の被災者のために義援金を募っている。銀行名や口座名については→日本赤十字社北海道支部ホームページ http://www.hokkaido.jrc.or.jp/ まで。


競馬ブック編集局員 村上和巳


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