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編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
3連単の導入






 

◆“3連単の導入”

  夏の全国高校野球選手権大会がはじまった。以前は準々決勝の日によく甲子園に観戦にでかけた。なぜ準々決勝の日なのかというと、4試合で合計8チームが存分に見られて、なおかつそのなかに優勝チームがいるから。早朝に家を出て帰り着くのは夜だったが、一日中野球を見ても飽きることがなかった。体力が落ちてきた最近はテレビ観戦に専念するようになったが、それでも時として熱中する。今年の話題の中心は東北高校のダルビッシュ投手だが、以前の力で捩じ伏せようとする投法から勝つための交わす投法にモデルチェンジしてきたように感じる。個人的にはあまり小さくまとまって欲しくないと考えてみたりするが、優勝を狙うためにはやむを得ない決断だったのかもしれない。

 高校野球と並行してアテネオリンピックが開幕した。男子サッカーの苦戦はグループが決まった段階から想像していたが、初戦のパラグアイ戦を落として苦境に立たされている。残る対戦国がイタリアとガーナとあって予選突破は難しいが、そう思いつつも深夜のテレビ中継にかじりついている。録画して翌日にゆっくりと見ればいいと判っていても、眠い目をこすりつつ、結局はリアルタイムで観戦。感情移入して疲れ果ててしまっている。こんなことを繰り返していると仕事で穴をあけてクビになりそうだが、根っからのスポーツ好き。この生活リズムは変えられそうにない。

 札幌初日からJRAで3連単の先行発売がはじまった。まだメインの9レースと最終12レースを対象に、札幌競馬場などの3カ所で限定発売されている段階で、栗東本社で仕事をする我々には馬券を購入する窓口がないのだが、そこは恐怖の馬券好き軍団のこと。札幌出張中の人間に依頼して3連単に初挑戦した。9レースは(2)(4)(6)番人気の3頭が上位に入線して96番人気の317倍、12レースは(5)(2)(3)番人気の3頭が上位を占めて103番人気の339倍と3連単にしては比較的平穏(?)な配当となったが、周囲に的中者はなし。現実の厳しさを教えられたが、「少なくとも読みは正解だった」「今日のシミュレーションで傾向はしっかり掴んだ」「間もなくオレの時代がやってくる」とそれぞれが3連単に手応えを掴んだ様子。いったいなにを根拠に手応えが掴めたのか訳が判らないが、固いことは言いっこなし。そんな楽観的な思考と屈託のない明るさが馬券ファンにとっては必要不可欠なのだから。

 早くから3連単を導入している地方競馬では10000倍を超える高額馬券が出るのもそう珍しいことではない。JRAなら100円硬貨一枚が瞬時にして500万円や1000万円になるのも決して夢ではないのだ。実際にそんな馬券が出たとしても、それを的中させるのは至難の業だろうが、現在の困窮生活に打ち勝つためには、そんな一攫千金の夢を持ちつづけるしか道はない。戦いは限りなくつづく。


競馬ブック編集局員 村上和巳


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