『WIN4?』
この4月1日、新しい「数字選択式宝くじ」である“ロト7”が発売になりました。購入された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
“キャリーオーバー込みで最大8億円!”
日本では最高額になるのだそうで、物凄いキャッチコピーです。しかし“8億円”と聞くと、何だか実感がわかないというか、別世界の話のように感じられて今ひとつピンとこないですね。もっとも、じゃあ従来のロト6の4億円だったら実感があるのか、と問われると、そんなこともないのですが。 そのロト6は43個の数字から6個をピックアップする方式。今回発売がスタートしたロト7では37個のうちからの7個。確率的なことはどんなものか知らないのですが、ピンとこないといえば、その方式で的中させることも同様でしょうか。
いずれにしても、「射幸心をあおる」云々のフレーズ、そしてそこから導かれる道徳的(?)な理屈は遠い昔のことになってしまいました。
というわけで、我が“WIN5”もスタートしてまもなく2年になります。 これまでを振り返って、細かいデータを総括しようなんて柄でもないことをしようとは思っていません。ここまでに感じたこと、現時点で思うことを、例によって取りとめもなく書いてみようかなと。
「数字選択式」が従来の宝くじと違ったのは、当たり前ですが配当を得るための数字を“自分で選択する”ことができる点。まあ従来のものでも、10枚1組のセットを購入する際など、組番が気にいらなかった時は売り場で変更をお願いすることができたらしいですが、さすがに数字を指定するまではできません。 その点でいうと、競馬はすべて自分で選択します。WIN5にも“ランダム”と“一部セレクト”がありますが、購入を決定する際にコンピューターが選んだ馬番が気にいらなければシャッフルできるようになっていますね。 「それってコンピューター任せになってないじゃん」 という突っ込みが入るところですが、まあ手法として購入方法がいろいろと用意されているのは悪いことじゃないでしょう。わかりにくいとか、めんどくさいと思ったら、その手法を取らなければいいのですから。
さて手法と言えば購入方法。やっぱりこれは、最も気になるところでしょうか。 皆さん、いかがされてます? これまでの馬券購入法に持っておられるような、何らかのポリシーのようなもの、ございますか?
まず「購入金額を抑えよう」という意識があります。これは「点数を絞り込む」行為と完全にリンクしますね。極端に言えば、5レースすべて1頭書きなら100円で済むわけですから。 それで2億円はムシが良過ぎるだろう、というのはごもっとも。むしろ1頭書きで違う競馬場のレースを5連続で的中させるのは、2億円の価値を超えている気がしますもんね。数字的な確率で言うと、先のロト系のくじよりも高いのかもしれないですが。
他方、ともかく的中させたいという意識が先行すると、“どれにしようかな”方式になりがちです。1レースにつき2〜4、5頭と選択する。例えば(計算したことはあると思いますが)、すべて3頭書きで24300円、4頭書きなら102400円です。 しかしこれ、どうも“単勝を当てる”というWIN5の本質からズレているように感じてしまいます。
一般のレースでも単勝馬券をよく購入しているという皆さんにお訊ねしたいですが、1レースに単勝を2頭…ならまだしも、3頭も4頭も買うことってありますか? いや、出馬表を見ていきなりそういう意識で、つまり「勝つのはこの馬かこの馬かこの馬か」みたいにして勝ち馬を検討してますか?結果として、ではなく、最初から、という意味で。 これは予想をする際に、軸となる馬に◎を打つのか、勝つと思う馬に◎を打つのかといったノウハウ的なことにもつながりそうですが、ここでは置いておくとして。
自分の周囲でも、普段から単勝馬券を購入する人間は何人もいますし、枠連などで絞り込んで的中させる馬券名人もいますが、WIN5では苦戦する傾向にあるようです。 彼らは、通常はレースを絞り、馬を絞り込んで購入するわけですが、WIN5では5レースを指定されます。買う方からすると、「全く気のないレース」だとしても買わなくてはならない。この際に普段とは違う感覚の“どれにしようかな”方式を取ってしまっているのではないか、と推察されます。考え方は同じであるのに、いざ買う段になってスタンスが替わる…バットにボールが当たりにくくて無理もありません。
そのあたりを考えていくと、結局のところWIN5は通常の単勝購入とは別モノ、という意識を持つのが正解なのかもしれないですね。以前、話題にした“仲間買い”も同様で、WIN5が通常の馬券とは違うモノだからこそ購入方法として成り立つのでしょう。もっともこの“仲間買い”が一般ファンにどの程度、浸透しているかはわかりませんが、ともかく、そもそもWIN5を購入しているのはすべての競馬ファンではないですもんね。インターネット投票のみで、売上自体、一般の馬券売上とは別扱い。 やっぱり、別モノと考えるのが自然なのでしょう。
それでもまあ、せっかくの馬券ですから、参加したいのは心情です。そう考えた時に、単勝馬券のスリリングさを残す策としてお奨めなのが、1頭書きを2レース、できれば3レース設ける、絶対に、という方法。逆に言えば“WIN4”とか“WIN3”にしてしまって悩むレースを減らしてしまう。冒頭にも書きましたが、これだと購入額を抑えることにもつながって一石二鳥でもあります。 そりゃあ1レース目に外れてしまったらつまらない、というのはわかりますが、たかだか小一時間のことですから、2レース目に外れようと3レース目に外れようと、そんなに気分的な差はありません(…のはず)。 また、4レース目までクリアして、5レース目が1頭書きだったとしたら?何となく心細いかもしれませんが、それこそ単勝買いの醍醐味。 コレかコレかコレが勝ったら的中! なんて買い方って、ゲームセンターのメダルゲームじゃないんですから。
ところで、上記の5レース目で外れるケース。1度だけ経験がありますが、切ないものですよねえ。正真正銘の“WIN4”。 “終わってみたらWIN4”というケースは何度かあって、今年に入ってからも2度ありますが、リーチが掛かってのWIN4とは落胆度が比較になりません。だって、1レース目に外れていると、頭の中は通常の馬券に切り替わってますからね。でも、それだって後から悔しさが込み上げてくるのですから、あと1レースを待つ緊張感、興奮の度合いときたら…。
こういった精神構造というのは、購入の際にどういう手法を編み出そうと、なかなか解決しない問題でしょう。当人の気持ちの強さ、弱さに直接的に関わってきますから。 そう、そこらあたりを鍛えられ、クリアしてこそのギャンブル、競馬なんだと、改めて思います。 たまにいますよ、WIN5は買わない、という人。彼らの言い分が、 「1つのレースの単勝を当てるのも大変なのに、5レース続けてって、できると思う方がどうかしてますよ」 と。 こういう強さがあるのは羨ましい。でも一方で、ここまで強くなくてもいいかな、なんて思う自分もいたりして。 ですからね、このように、心は千々と乱れるもの。
ダラダラと、本当に取りとめがなくなってしまいましたが、WIN5の攻略法、ならぬWIN5との向き合い方。キャリアを重ねるに連れて、再考察する機会があると思いますので、その時にまた。
美浦編集局 和田章郎