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改革の波に苦悩する新調教師

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◆ 改革の波に苦悩する新調教師

 平成14年度JRAの新規調教師並びに騎手免許試験合格者の発表が2月14日にあった。騎手課程の卒業者は10名だったが、騎手試験の合格者は栗東5、美浦3の都合8名。学業の課程は終了しても、イコール騎手とはならなかった。過去にも同様のケースはあり、その時も2名が1年後に再挑戦して見事に合格している。今回も騎手試験で不合格となった2人は、騎手候補生としてそれぞれどこかの厩舎に所属し、騎乗技術を含む研鑽を1年間積んで、改めて希望すれば騎手試験にアタックできるチャンスが残されている。

 JRAも入学さえすれば後はトコロ天式にジョッキーになれるというやり方については疑問に思っている人も少なくなかったから、現在は、各学年毎に達成しなければならないハードルを設け、それをクリアできない場合は留年、あるいは適性に疑問のあるケースでは一歩踏み込んで、進路変更を考えるように親を混じえて勧告指導する等の方針を打ち出されている。

 騎手になるのも決してやさしくはないが、調教師の方も開業までの道程がより遠くなってきている。合格はしたものの馬房を貸与されるのは4〜5年先。メリット制の導入により信賞必罰を実行するにあたり、スタートラインを最低でも20馬房に揃えようとしたためで、通常なら1年後ぐらいで開業できたものがそこまで延期された。今年の合格者は予め承知の上での受験だからまだしも、昨年度の合格者にとっては青天の霹靂、開業を心待ちして既に数頭を購入していた人もいてキャンセルに大童。それにかかわる馬主、牧場関係者にとっても、改革のためとはいえほとんど本人に責任のないことが原因でのキャンセルだけに、誠にお気の毒としかいいようがない。


編集局長 坂本日出男


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