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アンカツの一念巨岩を揺るがす

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◆アンカツの一念巨岩を揺るがす

 「平成15年度競馬騎手免許試験要項」で、従来から一歩進んだ改正点をJRAが発表した。地方競馬所属の騎手が、中央競馬の騎手免許試験を受ける場合、過去5年間にJRAで年間20勝以上の成績を2回以上収めている騎手については「身体」「学力」「人物」「技術」の基礎試験を改めて行なわず、健康診断や競馬関係法規に関する基礎知識、人格、見識などを確認するための面接など、内容を限定された試験を受けるだけで良くなった。昨年は不合格になったが、常識的に見て、今年はこじつけない限り不合格にする理由はなさそう。規定が緩和されたことにより以後地方のトップクラスがドンドンJRAの門を叩くかどうか……。

 そこで、新たに浮上してきたのが農水省令で一方しか所持できないと定められた免許制度そのものを改正することによって、無条件ではないにせよ、地方競馬、中央競馬両方の免許取得を認めるべきであろうとの考えのあることを農水省競馬監督課が示唆している点。二種類の免許というのもおかしいが、それは置いといて、仮にその件が正式に決定すれば、安藤勝己は地方でも中央でも自由に乗れることになるわけで、地方とすればスター騎手の流出を防げるからマイナスにはならないし、逆に、土日以外なら武豊や蛯名等の中央のトップクラスを招致することが可能になり、プラス面は大きい。

 出馬投票終了後の身柄拘束等、細かな点については実情に見合って検討、改善されて行くことであろう。売り上げの減少、遠のくファンの足を食い止めるために採用した新馬券はもとより、決定権を持っているJRAトップの考え方が、大幅にファン側へ歩み寄ってきていることを感じる。


編集局長 坂本日出男


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