コーナーTOP
CONTENTS
PHOTOパドック
ニュースぷらざ

1週間分の競馬ニュースをピックアップ

編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
関東関西






 

◆関東関西

 『どん兵衛きつねうどん』の味が東西ではまったく違うということを、最近になって初めて知った。同じきつねうどんでも、関東では醤油味が濃く、関西は当然ながらダシの効いた薄味。商品名もパッケージも同一ながら、中身は違うものらしい。

 生まれも育ちも北海道で、その後は東京、京都、宝塚、大阪を転々とした私。ここ20年ほどは滋賀県に住んでいるが、最初に関西にやってきたときは、閉口したものがいくつかあった。なかでも、関西弁のドギツさや麺食品のダシの薄さには戸惑った。言葉や食文化の習慣は、一朝一夕に変えられるものではないから。
 最近は関西弁(地域によってかなり違いはあるが)にも薄味にも慣れて、阪神タイガースを応援している私。マクドナルドを「マック」と呼ばずに、「マクド」(マクドのクにアクセントがくる)と呼ぶ雰囲気にもすっかり馴染んだ。「エエんちゃうか」「嘘やん」とかいった怪しい関西弁まで口にするようになって。

 気がついたら函館競馬が開幕し、今週は春を締めくくる宝塚記念。年齢を重ねれば重ねるほど、時間の経過が早くなる。上半期を振り返って気づくのは関西馬の圧倒的な強さ。フェブラリーSを皮切りに、高松宮記念、中山グランドジャンプ、桜花賞、皐月賞……と、すべてのG1レースを関西馬が制している(10戦10勝)のだから。資料で調べてみると、宝塚記念までの上半期のG1レースで関西馬が全勝したのは、1994年以来のこと。当時は後の三冠馬ナリタブライアンが皐月賞、ダービーを圧勝し、古馬ではビワハヤヒデが春の天皇賞、宝塚記念を圧倒的な強さで連勝。質量ともに豊富な関西軍団がG1レースを席捲していた。

 関西に根を下ろし、関西馬の活躍に目を細めるようになった私だが、それでも、関東馬にはもっと強くあってほしいと願う。東西の勢力が拮抗し、競い合うことによって、よりG1レースが盛り上がってくるのだから。その意味でも今年の宝塚記念は、昨年の年度代表馬シンボリクリスエスに期待している。


競馬ブック編集局員 村上和巳


copyright (C)NEC Interchannel,Ltd./ケイバブック1997-2003