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編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
寡黙な土曜日






 

◆“寡黙な土曜日”

  この1週間は強烈に多忙だった。普段の単独開催でも木、金は気を抜けないが、ここ4週間は阪神と中京とのダブル開催。それだけでも目が回るのに、そんな慌しいなかでG1の高松宮記念が行われるのだから、もう大変。木曜日の段階でアゴが出て、金曜日には眩暈がした。開催日にはもう茫然自失。ただただ体力の衰えを実感した。あ〜あ、歳はとりたくないもんだ。

  水曜朝。午前9時に出社。まだ会社は無人。まずは休日の月、火に読者の方から届いていたメールのチェック。数件の苦情や質問に目を通し、必要なものには返信。続いて高松宮記念の増刊号用厩舎レポの割り付けをして、珈琲をいれる。直後にトレセンから帰ってきた厩舎取材班に確認を取って週報用厩舎レポの想定を作成。フォトパドック用と厩舎レポ用に写真を掲載する有力馬を絞り込んで、写真班に指示。続いて当日版のレース別担当者を決めて各人にそれを指示。次に当日版の『データの囁き』を若手に振り分けて原稿作成させ、そのチェック。合間に先週のVTRを見つつ、週報の『桜花賞2週前レポ』の準備。慌しいが、この日はまだ軽口を叩く余裕あり。

  木曜日。朝9時に出社。自分が担当している土曜の特別レースの本文作成、特別の談話チェック。並行して次々に出稿されてくる増刊号用厩舎レポの編集、見出し作成とバタバタ。午後4時前にJRAから土日の出馬発表があり、そこからは一気に慌しさが加速。阪神の当日版本文が片付くと、今度は中京版の原稿処理。それが済むと若手の原稿に目を通し、次には当日版の後半4レース分の『厩舎情報からの買い目』を作成。気がつけば夜7時を回るが、帰宅のメドはまだ立たない。多弁な私にしては徐々に口数が減ってくる。

  金曜日。朝7時半すぎに出社。上がってきた当日版のゲラにひととおり目を通しつつ、『朝駆けナマナマ情報』のチェック。こんな時間帯に有力馬が取り消したりするともうパニックだ。午前10時にはJRAから土曜出馬の枠順が発表となり、本紙予想のチェックが最優先。それが終わると携帯サイト用の『推理のキー』というデスク予想(後半4レースだけ)を提出。これがまあ、なんというか、あまり当たらん(汗)。土曜版の仕事が片付くと、今度は阪神日曜版の談話チェック、阪神、中京版の本文作成に追われる。午後には取材班が出稿してきた厩舎レポの原稿整理、及び前日同様に『厩舎情報からの買い目』作成とバタつき、気がつけばもう周囲は漆黒の闇。そこから『桜花賞2週前レポ』を完成させると、かなりの時間になるが、周囲にはまだ数人が机に向かっている。夕方に仮眠を取って私が帰る頃に会社に出てくるスタッフもいて、木、金の我が編集部は不夜城である。会社で仕事をしつつ深夜の日本VSイランのサッカーをテレビ観戦している人間もいた。

  土曜日。朝7時半すぎに出社。JRAから枠順が発表される午前10時までは金曜朝と酷似した状況だが、開催日とあって阪神、中京、中山ではレースが行われる。出馬が終わると今度は『次走へのメモ』『レースインタビュー』のチェックに追われ、グリーンチャンネルとともにアッという間に一日が終わる。合間に馬券でも買おうものなら、時間の経過は更に早くなる。馬券が当たると疲れも半減するが、外れまくると極限の疲労に襲われて寡黙に。土曜日の夕方の私はなぜかいつも寡黙になっている。

  そして、土曜夜。例によって家でこの原稿を書いている。迅速に処理して高松宮記念の馬券検討をと考えているが、頭が朦朧としてなかなか進まない。なんとか原稿を書き終えて会社のパソコンに送信した瞬間、ある記憶が脳裏に浮かぶ。今回の原稿と酷似した内容を去年の4月に書いていたのを思い出したのである。社内の怖〜い校正者○○に気づかれると全文書き直しの悲惨な事態になりかねないが、もう精魂尽き果てて脳の活動も停止状態。明日は校正者とは視線を合わせずに逃げ切るしかなさそうだ。よ〜し、こうなったら、高松宮記念は快速カルストンライトオの逃げ切り狙って玉砕だ!


競馬ブック編集局員 村上和巳


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