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競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
トレセン放浪記
”トレセン放浪記”
「久しぶりですね。えっ、先週の宮記念の結果ですか?もちろん、僕にとっては想定外。あんなに離して勝つなんて思ってもいなかったことですから。自分でもビックリしましたよ(笑)、ええ」
爽やかな笑顔とソツのない受け答え。行く先々にひとだかりができるのに、周囲に一瞬たりとも不快な印象を与えない独特の気配り。やっぱり武豊は凄いヤツだなとしみじみ思う。
「どうも、ごぶさたしてます。ええ、マイペースでやってます」
これから追い切りに向かうリードオフマンの背からていねいに挨拶してくれた安藤勝己。精悍な表情は相変わらず。ゆっくりと時間をとって話せなかったのが残念である。
「元気そうですね。最近はちょくちょく顔を見るようになったけど、月に1回ぐらいはトレセンにきてるんですか?」
その人間性は暖かくて優しい。実は大好きな騎手のひとりでもある。誠実を絵に描いたような石橋守。早く嫁さんをもらえよ。
「俺の顔つきが変わってきた?もうデビューして15年だもん。最近は同じレースに乗ってる騎手のなかで最年長なんてのも珍しくないんだ。そら、顔つきだって変わってくるよ」
ついこの前まで病院にいたというのが嘘のよう。例によって歯切れのいい言動が売りの藤田伸二。どこにいても目立つ存在だ。
「ちょっと髪の毛白くなったね。俺は元気っすよ。息の長い騎手をめざして頑張らなくっちゃ。うん、応援してくださいね」
例によってクールでマイペース。騎乗ぶりにも話す言葉にもこだわりを感じる四位洋文。常に自分のスタイルを崩さない。
「ええ、お蔭様で、今年はもう14勝しました。この先どうなるか判りませんが、悩んだ頃のことを考えるといまは集中できてます」
以前、壁にぶち当たって“騎手を辞めようかと思う”と漏らしていた。そんな苦悩を乗り越えた上村洋行。これからも負けるな。
「えっ、俺のレース見てると楽しいって?実は、俺もレースに乗ってて楽しい(笑)。去年あたりからそうなんですけど、レースに乗るのがほんとに楽しくなってきたんです。流れがいいってこともあるんだろうけど、この気持ちを大事にしたいっすね」
屈託のない明るさとその裏に潜む繊細さ。ひとつの壁を破って成長をつづける福永祐一には、可能性を感じる。
「2週目は福島に行こうかって考えてます。そうですね、しばらく勝ってないから、そろそろ重賞も勝ちたいんですが、なかなか僕のとこまでいい馬が回ってきません。まあ焦らずにいきますよ」
若手とは思えぬ落ち着いた物腰。決してガツガツしない。ダンディー・秋山真一郎はいつも不思議なぐらい冷静である。
3月30日、水曜日の早朝6時半。気温は3度と肌寒かったが、トレセン内を放浪しつつ、馴染みの顔に出会っては歓談。時間の経過を忘れた。しかし、トレセンを後にして気づいたことがひとつ。せっかく馬のいる世界に行ったというのに覚えているのは人の顔ばかり。見た記憶がある馬はなんとリードオフマン1頭で、それも馬場に向かう地下道に消えて行くヒップを見ただけだったのである。1カ月ぶりに早起きして調教を見にきてこの有り様。どうやら、今週も馬券でヒットを飛ばすのは至難のようだ。
競馬ブック編集局員 村上和巳
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1951年北海道生まれ。怪しげなROCK喫茶の店主兼使用人だった当時に競馬に熱中。気がつけば1977年に競馬ブック入社。趣味の競馬が職業に。以降24年間、取材記者としてトレセン、競馬場を走り回る。2002年に突然、内勤に転属。ブック当日版、週刊誌の編集に追われている。2003年1月からこの編集員通信の担当となったが、幾つになっても馬券でやられると原稿が進まない自分が情けない。
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