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1週間分の競馬ニュースをピックアップ
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
取材・編集記者募集
”取材・編集記者募集”
資格条件
(1) 23歳までの4年制大学来春新卒予定者
(2) 強壮頑健なる体躯を有すること
(3) 視力、裸眼で1.0以上
(4) 早起きに自信あること
(5) 対人関係に臆せず明朗誠実なること
(6) 普通運転免許保持
(7) 記憶力に優れ、機器、数字に強いこと
(8) 反射神経に自信あること
(9) 観察力に優れ文章表現力のあること
(10) 勤務地何処でも可能であること
上記の10項目に目を通して、すぐに何の“資格条件”なのか理解できたら、あなたは間違いなく競馬ブックの愛読者である。4月になって週刊競馬ブック、競馬ブック当日版(土日の新聞)、ホームページ等で記事を掲載しているのでご存知の方も少なくないと思うが、弊社では取材・編集記者を募集している。その資格条件というか、募集要項が上記の10項目なのである。かなり古典的で一方的な内容とも思えるが、やはり、特殊な職業であって一般常識が通用しない世界でもあるためにこういった内容になっているのだ。(3)(8)は調教班になった場合の基本条件であり、(4)に関しては部署とは無関係に早朝の調教にきちんと対応できるかどうかが問われている。この募集要項は私が入社試験を受けた30年ほど前とほとんど変わっていないのだから驚かされる。
「えっ?村上君ですか。おかしいな、君は今回の受験者のなかにはいなかったはずなんだが……。ちょっと待って下さいよ。どうするか責任者と話し合ってくるから」
昔話というよりはほとんどギャグだが、これは私がケイバブックの入社試験を受けたときの様子。郵送されてきた一次試験の通知内容に従って指定された時間に指定された場所に出向いたときの話である。人事部の人間は訝しげに私と通知書を見比べ、受験者名簿を確認していた。要するに、私は書類審査の段階で落とされていた人間なのである。それもそのはず、当時の年齢が25歳なら、深夜族で早起きに自信がないのはもちろん、運転免許すら持っていなかったのだ。他にもいろいろ問題があって、募集要項の大半に該当していなかった。にもかかわらず、「せっかく栗東まできたんだから、まあ試験だけは受けて下さい」という会社側の善意の言葉。これが競馬ブックにとっては命取り(?)になったのだった。まあ、そんな時代でもあったのだが。
昨年春に入社した組にも、私ほどではないが、怪しい人材がいた。“裸眼で1.0以上”という条件なのに実はコンタクトをしていたとか、“対人関係に臆せず明朗誠実なること”とあるのに、いざ厩舎取材をさせてみたら対人恐怖症で胃痛に襲われたなんてヤツもいた。そんな彼らも一年が経過してすこしずつ格好がついてきた。そこで思うのは、前述の10項目の募集要項はともかく、取材・編集記者としてやっていく上での必要条件はとにかく競馬が好きでタフであること。根っから好きなことなら並みの障害は乗り越えられるものだし、乗り越えるからには心身ともタフでないといけないのである。
最後に新人教育担当者としてひと言。“取材・編集記者”をめざすいきのいい若者たちの応募を心待ちにしているので、希望者はどんどん写真と履歴書を送って欲しい。少々募集要項に該当していない人物でも“朝から晩まで競馬漬けで飽きることなく、それでいてひた向きさと打たれ強さを持ち合わせている人材”ならOKだと思っているが、これはあくまでも私見。この裏話については会社に対してくれぐれも内緒にしておいて欲しい。編集局で二番目のおしゃべりとして定評のある私(自覚症状はないが)が言うのもなんだが、口が堅いのも隠された募集要項のひとつなのだから(笑)。
競馬ブック編集局員 村上和巳
◆競馬道Onlineからのお知らせ◆
このコラムが本になりました。
「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒
東邦出版HP
1951年北海道生まれ。怪しげなROCK喫茶の店主兼使用人だった当時に競馬に熱中。気がつけば1977年に競馬ブック入社。趣味の競馬が職業に。以降24年間、取材記者としてトレセン、競馬場を走り回る。2002年に突然、内勤に転属。ブック当日版、週刊誌の編集に追われている。2003年1月からこの編集員通信の担当となったが、幾つになっても馬券でやられると原稿が進まない自分が情けない。
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